不動産査定で個人情報を出さなくていい理由【現役宅建士が解説】

売却の基礎知識

「査定を依頼したら不動産会社からしつこく電話が来た」という話をよく聞きます。実は、これは査定の仕組みを知らないことで起きています。

そもそも査定とはなにか

査定とは「あなたの家がいくらで売れそうか」を不動産会社が調べて教えてくれることです。査定には2種類あります。

机上査定(きじょうさてい)
物件の住所や間取りなど、最低限の情報だけで行う査定です。実際に家を見ずに、過去の取引データをもとに金額を出します。精度は低めですが、個人情報をほとんど出さずに済みます。

訪問査定
実際に家に来てもらって行う査定です。精度は高いですが、氏名・電話番号・メールアドレスなどの個人情報が必要になります。

なぜ不動産会社は個人情報を欲しがるのか

正直に言います。不動産会社が個人情報を欲しがる理由は「営業のため」です。査定を依頼した人=売却を検討している人、つまり見込み客です。連絡先を手に入れれば、繰り返し営業できます。

これは会社として当然の行動ですが、急いでいない・じっくり検討したい方には不要なプレッシャーになります。

個人情報を出さずに相場を調べる方法

売却を急いでいない、まずは相場だけ知りたいという方には以下の方法がおすすめです。

① 国土交通省の「土地総合情報システム」を使う
実際の取引価格が公開されています。近隣の成約事例を自分で調べることができます。無料・個人情報不要です。

② SUUMOやathomeで類似物件の売り出し価格を見る
現在売り出されている近隣物件の価格を確認できます。ただし「売り出し価格」と「実際の成約価格」は異なる点に注意が必要です。

③ 机上査定を複数社に依頼する
机上査定であれば、住所・間取り・築年数などの情報だけで概算が出ます。電話番号を入力しなくていいサービスも増えています。

④ お付き合いのある保険屋さんに依頼する
担当の保険屋さんが不動産会社とのパイプを持っているケースがあります。間に入ってもらうことで、状況に配慮した対応をしてもらいやすくなります。

⑤ 離婚など特別な事情がある場合は士業に依頼する
離婚を考えている場合など、相手に知られずに価値を知りたいケースでは、司法書士や弁護士などの士業を通じて不動産会社に査定を依頼してもらう方法もあります。詳しくは「離婚前に不動産の価値を知る方法。相手に知られずに査定できるか」をご覧ください。

まとめ

査定=個人情報を渡す必要はありません。まずは公開情報で相場を把握してから、本当に売却を検討する段階になってはじめて不動産会社に連絡する、という順番が賢い動き方です。

焦らず、自分のペースで情報収集してください。


この記事を書いた人

不動産業界で20年以上、今も現場に立ち続けている現役宅建士。宅建士(宅地建物取引士)は国家資格であり、重要事項の説明・契約書への記名押印は宅建士にしかできません。

不動産取引では、物件の法的・心理的な問題点や契約上のリスクを正確に把握することが非常に重要です。宅建士はそのための専門知識と法的責任を持っています。一方、宅建士が関与しない、営業が説明を行い、宅建士が重要事項説明書だけを読み上げるような取引では、重要な告知漏れや契約内容の不備が生じやすく、後からトラブルになっても法的な保護を受けにくいケースがあります。

なお、資格の名称を名乗るだけで免許を持たない悪質なケースや免許貸しのような法令順守をしていない会社もあります。会社のホームページで宅建士が在籍しているか、顔写真付きで掲示されているかなどを確認することが、ご自身と家族を守るためにも必要であると考えます。

現役宅建士
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不動産業界20年超。現役宅建士として、数百件の売買に携わってきました。

「もう少し早く知っていれば」——そんな言葉を、売主からも買主からも何度も聞いてきました。長年の経験で確信していることがあります。それは「ほんの少しの知識の差が、取引の明暗を分ける」ということ。

難しい専門知識は必要ありません。わずかなポイントを押さえるだけで、誰でも安心して納得のいく取引ができます。

売るときも買うときも、損をする人を減らしたい。その思いで、業界の内側から正直な情報を発信しています。このサイトが、あなたにとっての「気づき」と「安心」になれば嬉しいです。

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