不動産売却にかかる税金の基本。譲渡所得税をわかりやすく解説【現役宅建士が解説】

売却の基礎知識

「家を売ったら税金がかかるの?」という質問をよく受けます。答えはケースによります。利益が出た場合は税金がかかりますが、多くの場合は特例を使うことで大幅に軽減できます。基本的な仕組みをわかりやすく解説します。

不動産売却にかかる税金の種類

不動産を売却したときにかかる主な税金は以下の3つです。

譲渡所得税・住民税
売却で利益が出た場合にかかる税金です。最も重要な税金です。

印紙税
売買契約書に貼る収入印紙の費用です。売買価格によって金額が変わります。

登録免許税
所有権移転登記などの手続きにかかる税金です。

譲渡所得税の仕組み

譲渡所得税は「売却で得た利益」に対してかかります。利益が出なければ課税されません。

利益の計算方法はこうです。

譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)

※取得費:物件を購入したときの価格+購入時の諸費用
※譲渡費用:売却時にかかった仲介手数料・解体費用など

購入価格より高く売れた場合に利益(譲渡所得)が発生し、税金がかかります。

税率は所有期間によって変わる

譲渡所得税の税率は、売却する年の1月1日時点での所有期間によって異なります。

短期譲渡所得(所有期間5年以下)
税率約39%(所得税30%+住民税9%)

長期譲渡所得(所有期間5年超)
税率約20%(所得税15%+住民税5%)

長く持っていた物件の方が、税率が低くなります。

マイホームの売却は特例がある

マイホーム(自宅)を売却する場合、大きな特例があります。

3,000万円特別控除
マイホームを売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。つまり、利益が3,000万円以下であれば、税金がかからないケースがほとんどです。

この特例を使うためには以下の条件があります。現在住んでいる家であること、または住まなくなってから3年以内であること、売った年の前年・前々年にこの特例を使っていないことなどです。

注意点

税金の計算は個別の事情によって大きく変わります。この記事はあくまで基本的な仕組みの解説です。実際の税額については、税理士または税務署に相談することをおすすめします。

また、取得費がわからない場合(購入時の書類がない場合など)は、売却価格の5%を取得費とみなす概算取得費を使うことができます。ただしこの場合、税負担が大きくなることがあります。購入時の書類は大切に保管してください。

まとめ

マイホームの売却では、3,000万円特別控除を使えば多くの場合税金がかかりません。ただし条件があるため、売却前に必ず確認してください。税金の詳細は専門家に相談することをおすすめします。


この記事を書いた人

不動産業界で20年以上、今も現場に立ち続けている現役宅建士。宅建士(宅地建物取引士)は国家資格であり、重要事項の説明・契約書への記名押印は宅建士にしかできません。

不動産取引では、物件の法的・心理的な問題点や契約上のリスクを正確に把握することが非常に重要です。宅建士はそのための専門知識と法的責任を持っています。一方、宅建士が関与しない、営業が説明を行い、宅建士が重要事項説明書だけを読み上げるような取引では、重要な告知漏れや契約内容の不備が生じやすく、後からトラブルになっても法的な保護を受けにくいケースがあります。

なお、資格の名称を名乗るだけで免許を持たない悪質なケースや免許貸しのような法令順守をしていない会社もあります。会社のホームページで宅建士が在籍しているか、顔写真付きで掲示されているかなどを確認することが、ご自身と家族を守るためにも必要であると考えます。

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不動産業界20年超。現役宅建士として、数百件の売買に携わってきました。

「もう少し早く知っていれば」——そんな言葉を、売主からも買主からも何度も聞いてきました。長年の経験で確信していることがあります。それは「ほんの少しの知識の差が、取引の明暗を分ける」ということ。

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