不動産売却にかかる税金の基本。譲渡所得税をわかりやすく解説【現役宅建士が解説】

※この記事は、不動産業界で20年以上現場に立ち続けている現役宅建士が書いています。

「家を売ったら税金がかかるの?」という質問をよく受けます。答えはケースによります。利益が出た場合は税金がかかりますが、多くの場合は特例を使うことで大幅に軽減できます。基本的な仕組みをわかりやすく解説します。

不動産売却にかかる税金の種類

不動産を売却したときにかかる主な税金は以下の3つです。

譲渡所得税・住民税
売却で利益が出た場合にかかる税金です。最も重要な税金です。

印紙税
売買契約書に貼る収入印紙の費用です。売買価格によって金額が変わります。

登録免許税
所有権移転登記などの手続きにかかる税金です。

譲渡所得税の仕組み

譲渡所得税は「売却で得た利益」に対してかかります。利益が出なければ課税されません。

利益の計算方法はこうです。

譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)

※取得費:物件を購入したときの価格+購入時の諸費用
※譲渡費用:売却時にかかった仲介手数料・解体費用など

購入価格より高く売れた場合に利益(譲渡所得)が発生し、税金がかかります。

税率は所有期間によって変わる

譲渡所得税の税率は、売却する年の1月1日時点での所有期間によって異なります。

短期譲渡所得(所有期間5年以下)
税率約39%(所得税30%+住民税9%)

長期譲渡所得(所有期間5年超)
税率約20%(所得税15%+住民税5%)

長く持っていた物件の方が、税率が低くなります。

マイホームの売却は特例がある

マイホーム(自宅)を売却する場合、大きな特例があります。

3,000万円特別控除
マイホームを売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。つまり、利益が3,000万円以下であれば、税金がかからないケースがほとんどです。

この特例を使うためには以下の条件があります。現在住んでいる家であること、または住まなくなってから3年以内であること、売った年の前年・前々年にこの特例を使っていないことなどです。

注意点

税金の計算は個別の事情によって大きく変わります。この記事はあくまで基本的な仕組みの解説です。実際の税額については、税理士または税務署に相談することをおすすめします。

また、取得費がわからない場合(購入時の書類がない場合など)は、売却価格の5%を取得費とみなす概算取得費を使うことができます。ただしこの場合、税負担が大きくなることがあります。購入時の書類は大切に保管してください。

まとめ

マイホームの売却では、3,000万円特別控除を使えば多くの場合税金がかかりません。ただし条件があるため、売却前に必ず確認してください。税金の詳細は専門家に相談することをおすすめします。


この記事を書いた人:不動産業界で20年以上、今も現場に立ち続けている現役宅建士。宅建士(宅地建物取引士)は国家資格であり、重要事項の説明・契約書への記名押印は宅建士にしかできません。車の運転に免許が必要なように、不動産取引には宅建士が必要です。担当者が宅建士かどうかを、必ず確認してください。

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