不動産会社に問い合わせる前に必ずやるべき!行政処分歴の調べ方【現役宅建士が解説】

売却の基礎知識

不動産の売買や賃貸は人生で最も大きなお金が動く取引のひとつです。だからこそ、依頼する業者選びは慎重に行いたいところです。

口コミや営業マンの印象も大切ですが、国が公開している「公式データ」で業者の過去を無料で調べられることをご存じですか?

今回は現役宅建士として、問い合わせ前に必ず確認してほしい行政処分歴の調べ方を詳しく解説します。

国交省ネガティブ情報等検索サイトとは?

国土交通省が運営する「ネガティブ情報等検索サイト」は、国土交通大臣、各地方整備局長、北海道開発局長及び沖縄総合事務局長並びに都道府県知事が宅地建物取引業者に対して行った行政処分等を定期的にとりまとめたもので、最近5年分の行政処分等情報を公開しています。

つまり、過去5年間に行政処分を受けた不動産業者を、業者名を入力するだけで無料で調べられる、国が運営する公式サービスです。

調べられる処分の種類

公開対象の行政処分等情報は、免許取消、業務停止、指示の3種類です。

①指示処分

法令違反があった業者に対して、業務改善を求める最も軽い処分です。ただし、何らかの違反があったことは事実です。

②業務停止処分

一定期間、業務を停止させる処分です。悪質な違反があった場合に下されます。

③免許取消処分

最も重い処分で、宅建業の免許自体が取り消されます。取消後も5年間は情報が公開され続けます。

実際の検索手順

ステップ1:サイトにアクセスする

国土交通省ネガティブ情報等検索サイト(https://www.mlit.go.jp/nega-inf/)にアクセスします。

ステップ2:「宅地建物取引業者」を選ぶ

「不動産の売買・管理」の中にある「宅地建物取引業者」をクリックします。

ステップ3:検索条件を入力する

  • 処分等年月日(年・月)
  • 事業者名(部分一致で検索可能)
  • 都道府県
  • 処分の種類

事業者名は部分一致で検索できますが、万が一結果が表示されなかった場合には正式名称で入力してください。

ステップ4:結果を確認する

処分歴がある場合、処分年月日・免許番号・事業者名・本社住所・処分の種類・違反行為の概要が表示されます。

注意点①:国交省サイトに載っていない処分もある

国交省のサイト自体に「本サイトで情報を公開していない地方公共団体もあるため、その場合は各地方公共団体のWebサイトをご確認ください」と明記されています。

なぜ公開していない自治体があるのでしょうか。総務省の調査報告書によると、各地方公共団体が国交省サイトへの情報提供を義務付けられているわけではなく、対応が統一されていないのが実態です。

そのため、お住まいの都道府県の処分情報は、都道府県のサイトでも別途確認することをお勧めします。Googleで以下のように検索してください:

(都道府県名) 宅建業者 監督処分 一覧

例えば埼玉県では宅地建物取引業者の監督処分結果をホームページで公表しており、処分年月日・商号・代表者名・免許番号・処分内容・処分の理由を処分日から5年間掲載しています。都道府県によって対応が異なりますので、直接サイトを確認するか、各都道府県の宅建担当窓口に問い合わせてください。

注意点②:ネット検索も必ずセットで行う

行政処分歴がなくても、問題のある業者は存在します。特に注意してほしいのが代表者が変わって再スタートするケースです。問題を起こした業者の代表者が会社を一度畳み、別の会社名・別の代表者名で新たに免許を取得するケースがあります。新しい会社名では処分歴が出てこないため、国交省サイトだけでは見抜けません。

そのため、以下のキーワードでネット検索も必ず行ってください:

  • (会社名) 詐欺
  • (会社名) トラブル
  • (会社名) 事件
  • (代表者名) 不動産
  • (代表者名) 詐欺

ニュース記事や消費者センターへの苦情、SNSの投稿なども参考になります。GoogleだけでなくXでの検索も有効です。

注意点③:処分歴だけで判断しない

行政処分情報だけを頼りにすることは危険です。行政処分履歴はなくても顧客とのトラブルが多い不動産会社もありますし、逆に、行政処分歴があっても、その後反省して業務改善がなされた会社も存在するからです。処分歴はあくまで判断材料の一つとして活用してください。

まとめ:問い合わせ前の確認チェックリスト

  • ✅ 国交省ネガティブ情報検索サイトで処分歴を確認
  • ✅ お住まいの都道府県サイトでも処分歴を確認
  • ✅ 会社名・代表者名でネット検索(詐欺・トラブル・事件)
  • ✅ 免許番号の()内の数字で業歴を確認
  • ✅ 処分歴がなくても対応・説明力で総合判断

問い合わせ前の数分のチェックが、大きなトラブルを防ぐことにつながります。ぜひ活用してください。

この記事を書いた人

不動産業界で20年以上、今も現場に立ち続けている現役宅建士。宅建士(宅地建物取引士)は国家資格であり、重要事項の説明・契約書への記名押印は宅建士にしかできません。

不動産取引では、物件の法的・心理的な問題点や契約上のリスクを正確に把握することが非常に重要です。宅建士はそのための専門知識と法的責任を持っています。一方、宅建士が関与しない、営業が説明を行い、宅建士が重要事項説明書だけを読み上げるような取引では、重要な告知漏れや契約内容の不備が生じやすく、後からトラブルになっても法的な保護を受けにくいケースがあります。

なお、資格の名称を名乗るだけで免許を持たない悪質なケースや免許貸しのような法令順守をしていない会社もあります。会社のホームページで宅建士が在籍しているか、顔写真付きで掲示されているかなどを確認することが、ご自身と家族を守るためにも必要であると考えます。

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