不動産売却にかかる費用の全リスト。手取りはいくらになるのか【現役宅建士が解説】

※この記事は、不動産業界で20年以上現場に立ち続けている現役宅建士が書いています。

「3,000万円で売れたら3,000万円が手に入る」と思っている方が多いですが、実際には様々な費用が引かれます。売却前に費用の全体像を把握しておくことで、資金計画が立てやすくなります。

売却にかかる主な費用

① 仲介手数料
最も大きな費用です。売買価格の3%+6万円(税別)が上限です。3,000万円の物件なら約96万円です。売買契約時に半額、引き渡し時に残りの半額を支払うのが一般的です。

② 印紙税
売買契約書に貼る収入印紙の費用です。売買価格によって異なります。1,000万円超5,000万円以下の場合は2万円です。

③ 登録免許税
住宅ローンが残っている場合、抵当権抹消登記の費用がかかります。不動産1件あたり1,000円です。司法書士への報酬も別途必要で、1〜2万円程度が目安です。

④ 譲渡所得税・住民税
売却で利益が出た場合にかかります。マイホームの場合は3,000万円特別控除を使えるケースが多く、税金がかからない場合もあります。詳しくは前の記事をご覧ください。

⑤ 引っ越し費用
時期・距離・荷物の量によって変わります。繁忙期(3〜4月)は高くなるため、時期をずらすことで節約できます。

⑥ ハウスクリーニング費用
売却前に専門業者にクリーニングを依頼する場合にかかります。必須ではありませんが、内覧の印象を上げる効果があります。費用は物件の広さによって異なり、マンション1部屋で3〜10万円程度が目安です。

⑦ 住宅ローンの返済費用
ローンが残っている場合、売却益で残債を一括返済します。繰り上げ返済手数料がかかる場合があります。金融機関に確認してください。

手取り額の計算方法

手取り額=売却価格-仲介手数料-印紙税-登録免許税・司法書士費用-譲渡所得税-住宅ローン残債-その他費用

例えば3,000万円で売却した場合の目安です。

仲介手数料:約103万円(税込)
印紙税:2万円
登録免許税・司法書士:2〜3万円
引っ越し費用:10〜20万円

合計で120〜130万円程度が費用としてかかります。住宅ローンの残債がある場合はさらに差し引かれます。

費用を抑えるポイント

引っ越し時期をずらす
繁忙期を避けるだけで引っ越し費用を大幅に節約できます。

ハウスクリーニングは必要な箇所だけ
全室クリーニングより、水回りだけ依頼する方がコストを抑えられます。

仲介手数料の値引き交渉は慎重に
値引きのリスクについては別の記事で解説しています。安易な値引き交渉は逆効果になることがあります。

まとめ

売却の手取り額は売却価格から様々な費用を引いた金額です。事前に費用の全体像を把握した上で資金計画を立ててください。特に住み替えを考えている場合は、手取り額を正確に把握してから新しい物件の購入計画を立てることが重要です。


この記事を書いた人:不動産業界で20年以上、今も現場に立ち続けている現役宅建士。宅建士(宅地建物取引士)は国家資格であり、重要事項の説明・契約書への記名押印は宅建士にしかできません。車の運転に免許が必要なように、不動産取引には宅建士が必要です。担当者が宅建士かどうかを、必ず確認してください。

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